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特集記事
編集部が取材した記事を楽しむ事が出来ます。

凱旋!世界のナナマル

2014.09.09

NK9J0400

「不覚にも、忘れていた… 」

今回復活した国内仕様ナナマルで、本格的なクロカン走行をしてみてのファーストインプレッションである。
何を忘れていたのか?それは理屈とはまた別次元にあるクロカン四駆の真の愉しさだ。

文/ 内藤知己 写真/ 佐久間清人

LC70繧サ繝ャ繧ッ繝・襍ー繧・NK9J065770 バン

期待を裏切らない正常進化

バンのオフロード試乗は、いきなりモーグルの急勾配を下るステージから開始した。今どきのクロカンタイプを名乗る四駆にはだいたい装備されている「ヒルディセント・コントロール」なる自動ブレーキシステムに慣らされた身には、新鮮ささえ感じる強烈かつ頼もしいエンジンブレーキ!ああ、コイツはナナマルなんだ! と今さらのように、何とも言えない安心感に包まれる。

もちろん、ヒルディセント… なんて装備されていない。必要ないのだ。かつてのHZJ77を上回る低速ギア比設定は、30度近い急勾配であってもエンジンブレーキだけで安全に下ることができる。「ゆっくり走れない( 減速比が高速寄り過ぎる) 四駆」が蔓延した現在では、それだけでもこのナナマルに後光が射して見える。

LC70繧サ繝ャ繧ッ繝・襍ー繧・NK9J0696

エンジンは4リッター V6-DOHCガソリンの1GR-FE型ということで、かつてのナナマルに搭載されていた直6ディーゼル等に較べると軽量なユニットだ。車両重量自体はかつてのHZJ76と今回のGRJ76を較べても数値的には変わらないのだが、フロントのもっさり感がかなり軽快になっていて、ハンドリングが向上している。

この軽快感は、むしろ重さよりもエンジンのレスポンスや瞬発力の違いによるところが大きいと思われるが、エンジンのオン/オフのメリハリがとにかく気持ち良く、扱いやすい。アクセルコントロールが肝となるモーグルでは実に楽しいのだ。まさに“ 操る” 感覚である。

モーグル地形と言えば、今どきの四駆では電子制御のトラクションコントロールに全てを委ね、タイヤが地面を離れグリップを失っても、ひたすらアクセルを踏み続けていれば、コンピューターが浮いたタイヤにブレーキを掛け、接地しているタイヤに駆動力を分配し… で、難なく前進可能。

もちろん、その方が良いドライバーも多いはずだが、アクセルのオン/オフでトラクションを稼ぎ、自分でコントロールしたいドライバーにとって都合の良い進化が、この新しいナナマルには感じられる。

V型エンジン搭載のためか、リアに較べて極端に拡げられたフロント・トレッド( 前: 1,555mm/後: 1,460mm) のせいもあってか、最小回転半径は6.3m。同じホイールベースのHZJ77が6.1mであり、その感覚で走ると意外に大回りする。慎重なライン取りが要求されるステージでは、早め早めのステアリング操作が必須だ。

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70 ピックアップ

新人ながら実力はお墨付き

ランクル70の5人乗りピックアップ。今までも海外仕様としては写真などで見慣れていたように錯覚していたのだが、実は70系のWキャブ仕様は2012年デビューとのことで、まだ2年そこそこのニューフェイスだった。

今回販売されるピックアップは南アフリカ仕様がベースとのことだが、そんな新参者感を全く感じさせないほど、武骨なナナマルのスタイルによく馴染んでいる。

バンよりも100kg重く、全長も460mm長いのだが、オフロード走行ではバンの走りに見劣りしない軽快さがある。状況によっては、空荷のピックアップの宿命である後軸輪のトラクション不足が露呈するが、これは致し方なし。

しかし、バンよりさらに低速化された最終減速比のおかげで、クロカン走行の愉しさはバンの上を行く、と言っても過言ではない。

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最大積載量は600kgで、ピックアップトラックとしての積載を前提としたサスペンション設定が施されてはいるが、そこからイメージする貨物車的なガチガチの乗り心地ではけっしてなく、むしろこの脚まわりにしてはしなやかな脚と言っていい。

また、リアが軽い分、バンに較べればマニュアルデフロックのお世話になる機会も多いのだが、このデフロック時のハンドリングにも進化が見られた。これはバンにも言えることだが、前後フルでデフロックしたときの、あの強烈な直進性、ノーコントロール感覚が幾分緩和されているようで、これは通常の(前後・非デフロック時)クロカン走行時においても感じたコントロール性の向上が大きく貢献しているものと思われる。

ただし、バンよりもさらに延長されたホイールベースのおかけで、取り回しは推して知るべし。最小回転半径7.2mは、オフロードのみならず、街中でも常に意識してドライブすることになる。

何度も言うが、この2台の新しいランクル70のオフロード試乗は非常に楽しく、常に能動的なドライブ感覚を刺激してくれるものだった。これは、今まであまりにも電子制御に慣れ過ぎた、クロカン走行本来の醍醐味を感覚的に忘れかけていた自分への警鐘でもあり、あらためてそれを気付かせてくれる貴重な経験であった。期間限定販売については賛否両論あろうが、このコンセプトはどんな形であれ受け継がれて行くことに期待したい。

NK9J0069