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特集記事
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【インタビュー】ランドクルーザー70開発主査 小鑓貞嘉氏

2014.09.09

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今回、誕生30周年の節目に合わせて「復活」という形で期間限定発売となったランクル70シリーズ。
通常の新型車リリースとはやや趣が異なるものの、日本のファンにとっては紛れもないニューモデルである。

開発の陣頭指揮を執るチーフエンジニアはこんな時、新型車の先進性を熱く語り、その魅力を大いにアピールするものだが、ナナマルの小鑓(こやり)チーフエンジニアは少し様子が違った。
あくまでも穏やかに、しかし確固たる自信に満ちたもの静かな口調で、ランクル70のあるべき姿を真っ直ぐに語る。その様子には、迷いやブレが全く感じられない。
日本が世界に誇るランドクルーザーの立ち位置をしっかり見据え、今回満を持して日本のファンのもとへ送り出す喜び…お話を伺っているとそんな小鑓さんの思いがひしひしと伝わってくるのだった。
文/内藤知己 写真/佐久間清人
 

4×4MAG:今回販売する70のバリエーションについては様々な議論があったことと思いますが、最終的にロングのバンとWキャブ・ピックアップの2タイプに決定した要因は何ですか?

小鑓氏:まず前提として、既存の、つまり海外で販売しているモデルを日本国内にも、という基本方針があったので、そういった意味では議論はありませんでしたね。そんな中で、まず第一に外せないのは5ドア・ロング車だろうと。3ドア・ショートもバリエーションとしては魅力的な面もあったんですが、今の国内に持ってくるにあたってはいろいろ障壁もあり、需要のボリューム等も考慮した結果、外すことになったんです。あと、ピックアップはやはり乗員数を考えれば、シングルよりWキャブだろうと。

 

4×4MAG:ピックアップが最初からラインナップに予定されていたというのは、過去の国産4×4ピックアップの状況からすれば、少々意外だったのですが…

小鑓氏:このWキャブという仕様のピックアップはナナマルのラインナップに昔からあったような誤解がよくあるんですが、実は2012年から導入した、まだ新しい車型なんです。見慣れたタイプに見えるんですけど、実は2年しか経ってない。そんなこともあって、ピックアップはぜひ(ラインナップに)盛り込みたい、と。これは、これまでに全国を歩いて各地、各方面からいろいろな意見や要望を伺ってきた中でも、ピックアップ系のニーズは確実にある、という判断に至りました。国内のナナマルが2004年に打ち切られた時点では存在しなかったニューモデルでもある、という意味も含めて、今回導入に至ったというわけです。

4×4MAG:バン/ピックアップともトランスミッションがマニュアルのみの設定ですが、かつてのナナマル(国内仕様)のようなATの導入は検討されなかったのでしょうか?

小鑓氏:おそらくこれも日本のユーザーさんの間では、「かつてのナナマルにはAT車の設定があったじゃないか」ということだと思いますが、実は日本にAT車があった時も、グローバルに見ると他の国にはAT車の設定はなかった…つまり、日本だけだったんですね。ある意味特殊な仕様だったんです。そんなわけで、最初にお話ししたとおり、今回の復活は既存のモデルを日本へ…が前提なので、これも選択の余地がなかった、ということになります。もっとも、グローバルにこのナナマルの立ち位置ということを考えた場合、つまり、耐久性や走破性、整備性を軸とする信頼性ということを考慮すればおのずとMTという選択になるんです。もちろん(ATの設定は)不可能ではありませんが、このクルマの本来の魅力とか「求められるモノ」ってそこではないな、と私自身も思います。

4×4MAG:海外メーカーでは、長い歴史を持つ伝統的なクロカン4×4に最新の電子制御技術を投入し、進化させている例も見られますが、今後、ナナマルはどういう方向に向かうのでしょうか?

小鑓氏:たとえばトラクションコントロール等の電子制御デバイスを採用すること自体は、さほど難しいことではありません。しかし、それらがナナマルに必要なモノなのか、あるいは求められているモノなのかは、また別の話だと思うんです。もちろん、安全性確保のために必要となれば最低限の対策は施しますし、法的に義務づけられれば対応していく必要はあります。ただし、できるだけ今の状態を保ったまま、ランクルらしさ、ナナマルらしさというものを大切にしていきたい、という思いはありますね。操る愉しみ、世界のどんな辺境の地でも維持できるタフさや整備性、そういったナナマルならではの魅力を犠牲にしてしまうような“進化”なら、それは必要ない、そう思っています。ユーザーの皆さんには、ぜひ、そんなナナマルの真の楽しさを味わっていただきたいですね。