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特集記事
編集部が取材した記事を楽しむ事が出来ます。

ランクルのある日常〜70VAN & PRADO

2014.09.30

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ランクルのある日常
ある意味、新型車のデビューよりも(極めてレアなケースという意味で)インパクトのあるナナマルの国内一時復帰により、にわかに注目されているランクル・シリーズ。
今どき、これほど明確な形で用途別バリエーションを用意している車種は他になかろう…というラインナップである。
ならば、ということでナナマルとプラドを“日常目線”を想定した試乗に連れ出してみた。

文/内藤知己

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同型エンジンながら各々に個性
今回試乗したのは、期間限定という形で国内ラインナップに投入された70系バンと同ピックアップ、そして、昨年秋にマイナーチェンジを受けている既存のプラドの最上級グレードであるTZ-Gの3台。

ナナマルもプラドも型式上は同型となる1GR-FE型4リッターV6-DOHCガソリンエンジンを搭載するが、ナナマルの1GR-FEは一世代前のそれであり、カタログ上のスペックや環境性能はけっこう差がある。プラドがレギュラーガソリン仕様なのに対して、ナナマルはハイオク仕様というのも大きな違いだ。

もちろん、これらはベースが輸出モデルであるがゆえの、ひとつの特徴とも言えるのだが、ナナマルというクルマの立ち位置を考慮したとき、最新のスペックよりも実績に裏付けられた信頼性を優先することは至極当然な流れだったのだろう。

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パワー/トルク面では、プラドの1GR-FEが最高出力203kW(276PS)/5,600rpm、最大トルク380Nm(38.8kgm)/4,400rpmなのに対し70バン&ピックアップのそれは、170kW(231PS)/5,200rpm、360Nm(36.7kgm)/3,800rpmと、数値も、そしてそれらの発生回転数も違っている。

実際の走行で比較となると、マニュアルミッションとスーパーECTということもあり、純粋なエンジンのみのフィーリング比較は困難だが、明らかにプラドの方が立ち上がりや加速が鋭く、吹け上がりにもハッキリ体感できる差がある。

ただし、大きな差を感じるのは加速スピードだけで、低回転域の粘りや4リッターの分厚いトルクは、むしろMTのナナマルの方が体感しやすいかも知れない。

意外だったのはバンとピックアップのドライブ・フィーリングの違い。エンジンは同スペックだが、車両重量で100kg重いにも関わらずピックアップの方はキビキビ感が顕著なのだ。しかも、今回のピックアップにはオプションの電動ウインチが装着されているので、さらにプラス60kgで、合計160kgの差がある。

これはバンよりも低速化されている最終減速比の設定と、積載を前提としたサス設定によるところが大きいと思われるが、とにかく重い上にホイールベースも長く、最小回転半径が7mを超えているという取り回しの悪さをあまり感じさせないくらいのシャキッとした走りが印象的である。

ナナマルと言えばディーゼルという図式が身体に染みついているせいか、この静かさは今いちナナマルに乗っている気がしないのだが、実測してみるとプラドとそれほど大きな差はないことが分かる。同型エンジンなので、騒音レベルの違いはそのまま遮音性能の違い、ということになるが、車外で耳にするエンジン音には、3車とも大きな差はない。静かなナナマルは、ちょっとワイルドさに欠けるが、日常の使用では間違いなくありがたい。

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ランクル騒音値
オンロードでも運転が楽しめる人に
前回のオフロード試乗で、その走破性の高さと、電子制御に頼らない“操る愉しみ”を再確認できたナナマル。では、ほとんどの一般ユーザーの日常ステージとなるはずのオンロード走行ではどうなのか。

結論から先に言えば、MTであることが苦にならないドライバーには、特に大きな問題は見当たらないはずだ。そういう意味では、バンもピックアップも、良い意味で予想は裏切られた。

前後とも車軸懸架ながら、拍子抜けするほどソフトライドなバン。コーナリング時の姿勢からも分かるとおり、乗り心地重視な設定だ。ピックアップは、さすがに空荷時のリアの落ち着きの無さは感じるが、バンよりもシャキッとした乗り味。オフロードでもそうだったが、操る楽しみは、バンよりもちょっとだけ高ポイントである。中途半端にファション性を採り入れたような今までの国産ピックアップとは違い、本来の実用車としての姿のままで投入されているところに魅力を感じるユーザーは多いのではないだろうか。

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さすがにプラドのオンロードでの快適性、コーナリング性能は、ナナマルとはレベルが違うため比較対象にはならないが、オフロードでのパフォーマンスや信頼性の高さを基本とした上で、ここまで快適なオンロード走行を手に入れたナナマルに、ひとまずは拍手だ。

街中では(特にピックアップ)、そのサイズと取り回しに少々手こずる場面もあるが、今どきここまで車両感覚が掴みやすいクルマも少ない。

ナナマルは、日常目線、つまりオンロードでも常に運転を楽しめるオフロード愛好者に最適なツールだ。

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5m超えの全長(ウインチ搭載車は5,310mm)は、都会の標準的な駐車スペースには収まらない。

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同じ車種とは思えないほどの内装の違いだが、両者ともそれぞれランクルらしいインパネではある。

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同じ車名を持つクルマとは思えないフォルムの違い。