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特集記事
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【インタビュー】TOYOTA LAND CRUISER PRADO

2015.07.24

新型プラドで、グローバルなランクルの真価を味わって下さい!

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トヨタ自動車株式会社 製品企画本部 ZJ チーフエンジニア

小鑓貞嘉さん(Sadayoshi Koyari)

 

今回のマイナーチェンジで、国内では8年ぶりのディーゼル車復活となったランドクルーザープラド。欧州各国では既にディーゼル車がSUVの主流となって久しいが、そのディーゼル車にとって世界一厳しいと言われる日本の排気ガス規制をクリアし、文字通り満を持しての復活を果たしたクリーンディーゼル搭載のプラドがついに姿を現した。

果たして、かつての国産クロカン・ディーゼル4×4ムーブメント再来の起爆剤となり得るのか? と、多くの期待を背負いつつの再発進である。

昨年、ランクル70系バン&ピックアップ限定販売という形での“復活”に際し、ランクルファンたちにはすっかりお馴染みとなったランクル全体を統括するチーフエンジニア、小鑓貞嘉氏にお話をうかがった。

 

4×4MAG:実に8年ぶりとなるディーゼル・プラドの復活ですが、発売がこの時期になった主な理由はどこにあったのでしょう?

小鑓氏:まず、前提として、エンジン、特にディーゼルは排気ガス規制への対応に沿って開発を進める…ということが基本になります。ご存知のように、現状ディーゼルの排ガス規制に関しては日本が1番厳しいわけですが、ディーゼルエンジンはヨーロッパにおいては主流であっても、世界的に見ればまだまだ主流ではないんですね。グローバルな展開を行っているランクルのような車種の場合、なるべく多くの国や地域に対応させる必要があるため、タイミングを見極めることが重要になってくるんです。要するに、世界各地の燃料の品質や排ガス規制が日欧諸国のレベルに追いついて一定数の販売が見込めなければ、新型ディーゼルも投入できない。それが、やっと日本やヨーロッパに追いついてきた。また、日本の規制値にほぼ近いレベルのユーロ6規制も施行される…という流れを受ける形で、このタイミングでの発売となったわけです。

4×4MAG:新型ディーゼルのGD型エンジンですが、従来のKD型との比較も含めて改良点や特徴等をお聞かせ下さい。

小鑓氏:例えば、いわゆる馬力競争の真っ只中に置かれているスポーツカーならば、新開発エンジンにはやはり最優先でパワーアップが求められる、ということもあるわけですが、それに較べて実用的な性能が、より重視されるランクルの場合、そこはやはり“燃費”なんですね。つまり、パワーやトルクはダウンさせることなく燃費は向上…これがまず求められる。したがって今回のディーゼルエンジンの概要としては、排気量を3リッターから2.8リッターに落とし、その分、燃焼効率を上げ…これにはフリクション低減、高効率ターボ採用等細かい対策はもちろんしているわけですが、大きな流れで言うと、動力性能を落とさずに燃費向上を実現させた…という形です。また、エンジンと同様トランスミッションも新開発され、6速ATとなったわけですが、これもワイドレンジ化/ハイギアード化によって燃費向上を狙うという意味合いが強いですね。

4×4MAG:国内向け150系プラドにはディーゼル初搭載ということで、特に気を遣われた部分はありましたか?

小鑓氏:国内での150系プラドのディーゼル搭載はこれが初めてですが、ご存知のように、海外向けではKZ型や5L型といったディーゼル搭載車が既にあったので、今回特別気を遣った部分というのはありません。おそらくユーザーの方が気にする点と言えば、ディーゼル特有の騒音に関してだと思いますが、これについては、後付けの制振処理や遮音対策ではなく“源流を見直す”という考え方で対処しています。つまり、いくら振動を抑え込んだり、周りを囲って遮音しても、大もとのエンジンがうるさければダメなんですよ。先ほど燃費向上の件でもお話ししたように、燃焼を良くすれば排気量を落としてもパワーは落ちず、燃費は向上する。と同時に、振動も減って騒音も抑えられるので、結局はエンジンそのものの進化により騒音も下げている、ということになります。ATの6速化にも同じことが言えます。そもそも、「うるさいからフタをして何とかしよう」とかいうのは、やるべきではないと思っています。まあ、実際の話、この1GD型は静かですよ! アイドリング時にはどうしてもディーゼル・ノックの音はしますが、走り出してしまえば、ガソリンと聞き分けが付かない…そのくらいのレベルで静かだと自負しています。

4×4MAG:昨年の70系バン&ピックアップ限定発売に刺激されてか、この2モデルの販売期間はプラドも普段より売り上げが伸びたと聞いていますが、ユーザーには今回の新しいプラドのどこを一番アピールしたいですか?

小鑓氏:昨年のランクル70系限定車に関しては、ほぼ海外仕様のままのバンとピックアップ、しかもMT車のみという、今どき考えられない設定であったにもかかわらず、予想を大きく超える反響をいただきました。今回のプラドに関しても、先ほどお話ししたとおり、ディーゼルエンジンに関してはユーロ6との兼ね合い等、海外事情に沿った形で開発を進めては来ましたが、もちろん、その他の面では国内市場をしっかりと見据えた開発を続けてきています。今まで世界で築いてきたランクルの信頼性はそのままに、少しでも乗りやすい、使いやすい、日本のユーザーにとっても魅力あるSUVとして育てていきたい…これが開発陣の共通認識です。ユーザーの皆さんには、ぜひ、そんな新型プラドの真価を味わっていただきたいと思っています。

 

文/内藤知己